そもそもの始まりから
「エスパーキッド ヒロ」は時に90年代初期。ある演劇学校のあるクラスのエチュード(即興劇)から生まれました。
本来エチュードは一回こっきりぶっつけ本番なものですが、それを数回にわけて大人数で(10名程×3でした)やることになったんです。同じテーマに慣れることによって完成度を高めてみようってとこですか。
先生が僕たちに出したテーマは「風船、火山、月、夜景」・・・ごめんなさい、先生わかりません!!
僕の知ってるエチュードのテーマってのは「喫茶店」とか「公園」とかね、そんな場面設定みたいなもんだと思ってました。それが月て、夜景て、風船て知ってるけど会えて聞かせて下さい、何ですかそれは?
夜景だけだったらね、陳腐でも何でも「夜景を見ながらベンチに座っているカップル」とか。いいじゃないベタで。
火山だけだったらね、「火山が爆発して逃げまどうカップル」とかね。シリアスにもコメディにも出来そうじゃない?
月だけだったらね、「月で餅をつくウサギのカップル」とかさ。別にカップル限定にしなくてもいいんだけどね。
風船は・・・風船・・・風船・・・ム!ピーンと来たね!「むっちゃデカイ風船が爆発した爆風で総理大臣が死亡した!出動だカップル刑事!!」
いい感じ(のような気がします)。
で、これを全部合体させたエチュードを作ればいいわけで・・・って出来るかチクショウ!
その後、テーマに沿って何をやるかの話し合いを持つことになりました。でもテーマがテーマなので全くアイデアが浮かびません。全てを含めたシチェーションを考えることが出来なかった。刻々と時間の過ぎる中、どんなものをやるかさえ決めることが出来なかったのです。
数十分後、とりあえずやってみようという先生の合図により、全くアイデアの無いまま1回目が開始。どうする?
任せてくれ、策は有る!
先生「はい、いくよー。よおーーい・・・ハイッ!(パーン←手を叩く音)」
A「私は月!」
B「僕は火山!!」
C「僕は風船!!!」
俺「俺は夜景だ!!!!」←何者だお前
夜景「おい火山よ、どんな感じでやろうか?」
エチュードとは名ばかりの公開会議スタート!